18時のロード6kmと、夕方パフォーマンスの話
昨日はロードで6km走りました。
入りはキロ4分。そこから徐々に上げ、終盤はキロ3分20秒まで引き上げました。
途中に信号待ちが数回入り、完全なビルドアップというよりは、区切りの入るテンポ走のような形になりました。
強度としては、ややきつい。しかし制御可能。
呼吸は荒いが、フォームは崩れない。
主観的運動強度でいえば、ダニエルズ理論でいうところのTペース(閾値付近)に近い刺激だったと思います。信号待ちが入ったことで、結果的にクルーズインターバルに近い構造になっていました。
時刻は18時頃。
風はほとんど感じず、汗だくになるほどでもありませんでした。
ニットキャップと手袋を着用し、ナイロンジャケットにショートタイツ。体感としてはちょうどよい暖かさでした。
そして何より、「脚がよく回る」と感じました。
夕方は本当に走りやすいのか
この走りやすさは偶然でしょうか。
人間の身体にはサーカディアンリズム(概日リズム)があり、深部体温は一般に午後から夕方(16〜20時頃)にピークを迎えます。
実際の研究でも、運動パフォーマンスは時間帯によって変動することが報告されています。
例えば、概日リズムとスポーツパフォーマンスの関係をまとめたレビューでは、筋力や短時間高出力といった多くの運動指標が、夕方にピークを示す傾向があると述べられています。
(※Circadian variation in sports performance — https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8726347/)
また113件以上の研究を体系的に整理したレビューでも、運動パフォーマンスは深部体温が高くなる夕方に最も良好な結果を示す傾向がまとめられています。
(※Sleep, circadian rhythms, and athletic performance — https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25645125/)
さらに具体的な実験研究でも、体温、筋力、反応時間などが16〜20時にピークを示すことが報告されています。
(※Reilly T et al. Diurnal variation in temperature, mental and physical performance. Chronobiol Int. 2007
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17612948/ )
体温が高い時間帯では、筋の粘弾性や神経伝導効率が向上すると考えられており、出力発揮がスムーズになる可能性があります。
閾値付近の強度を「きついが崩れない」と感じられた背景には、こうした生理学的条件が関与していたのかもしれません。
熱はプラスにもマイナスにもなる
ただし、体温が上がれば上がるほど良いというわけではありません。
高温環境下での長時間運動では、脳温上昇が中枢性疲労に関与する可能性が示されています。
(※Nybo L et al. Inadequate heat release from the human brain during prolonged exercise with hyperthermia. J Physiol. 2002
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2290690/ )
今回は汗だくになるほどではなく、体温上昇がパフォーマンスに有利な範囲に収まっていた可能性があります。
夕方という変数
夕方は自然に深部体温が高まり、神経系も活性化する時間帯です。
その状態で閾値付近の刺激を入れることは、生理学的にも理にかなっている可能性があります。
もちろん個人差はありますし、朝練で適応することも可能です。
それでも、自分の身体のリズムを知ることは、トレーニング戦略の一部になります。
18時のロード6km。
ややきつい。しかし制御可能。
あの日の感覚には、時間帯という要素も含まれていたのかもしれません。
*本記事は個人の練習経験と公開されている学術文献をもとにまとめています。

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