ディズニーの原作を読む③|ピノキオ原作、優しくなさすぎた話

これから子どもとディズニーに行く機会も増えるだろうなと思い、アトラクションや映画の“元ネタ”を読んでいく企画。

今回は
ピノッキオの冒険 を読んでみました。

(岩波少年文庫)

最初に結論から言うと——

ディズニーと全然違う。思っていたよりずっと厳しい話でした。


ジェッペット爺さん、思っていたより武闘派

ディズニー版の印象だと、優しくて穏やかなおじいさんですが、原作ではかなり感情の振れ幅が大きい。

怒ると普通に手が出そうな勢いで、
「こんなキャラだったっけ?」と最初から違和感。

良くも悪くも、人間臭い存在として描かれています。


コオロギ、いきなり退場する

いわゆる“良心役”のコオロギですが、

序盤で普通に退場します。

しかもかなりあっさり。

ディズニー版の
ジミニー・クリケット をイメージしていると、ここでまず戸惑う。

ただしその後、また登場して忠告してくるあたり、

このキャラは“生きているかどうか”というより、良心そのもののような存在なのかもしれません。


白ツグミ、普通にかわいそう

ピノキオに忠告してくれる側なのに、扱いがなかなかひどい。

善意で関わったキャラが報われないあたり、
この物語の“優しくなさ”を象徴しているように感じました。


急に非人間キャラが増えてくる

読み進めていくと、途中から動物や不思議な存在がどんどん出てきます。

最初は現実寄りの話かと思っていたので、「そんな世界だったのか」と少し戸惑う。

ただ、それぞれが

  • 忠告する役
  • 騙す役

といった分かりやすい役割を持っていて、寓話的な構造なのだと理解すると納得できます。


詐欺に遭ったのに投獄される理不尽さ

金貨を騙し取られた挙句、なぜか投獄される展開。

**「この町の法はイカれてるな」**と正直思いました。

ただ、この理不尽さも含めて、

  • 世の中は甘くない
  • 油断すると痛い目を見る

という、かなり強めの教育的メッセージなのかもしれません。


蛇、何しに出てきた?

突然現れて、そして急に退場する蛇。

正直「何だったのか」と思う場面ですが、
ピノキオが勇気を出して相対したことで乗り越えた“試練”と考えることもできそうです。

ただ、それにしても展開はかなり急で、このあたりの雑さも含めて原作の特徴だと感じました。


反省するけど、すぐ忘れる

ピノキオは失敗すると反省はするものの、しばらくするとまた同じことを繰り返します。

このあたりはむしろ実に子どもらしい。

理想的な成長物語というより、

「なかなか学ばない存在」

として描かれているのが印象的でした。


それでも、ちゃんと人を思いやる場面もある

一方で、死んだ相手に対してこれ以上何かをするべきではない、と判断する場面もありました。

話の流れからすると少し意外ですが、

ちゃんと他者を慮ることができる

という点で、単なる問題児ではないと感じます。


遊びの国とロバの話が重い

楽しいはずの“遊びの国”が、そのまま破滅につながる展開。

怠ける → ロバになる → 酷使される

という流れは、この作品の中でも特に教育色が強い部分でした。


フカの中で、ようやく成長する

物語後半、フカ(巨大な魚)の中でゼペットと再会してからのピノキオは、それまでとは別人のように行動が安定します。

判断も的確で、しっかり悔い改めている。

ここに至るまでかなり遠回りしていますが、

「偉いな」と素直に思える変化でした。


フカとクジラの違い

原作ではピノキオたちを飲み込むのはフカですが、日本ではクジラのイメージで語られることも多い気がします。

これは
ピノキオ の影響が大きそうです。


連載作品らしい“ブレ”も感じる

訳者あとがきにもある通り、この作品は連載で書き継がれたもの。

そのためか、

  • コオロギが再登場する
  • 仙女の姿が変わる

といった“ブレ”も見られます。

このあたりも含めて、独特のテンポや展開につながっているのだと思います。


挿絵はちょっと脱力系

岩波少年文庫版の挿絵は、エドアルド・バルゲール氏によって描かれているらしい。いかにも古典的なタッチでかなりあっさりしています。

よくいえば味がある。


まとめ|優しくない世界で、ようやく成長する話

今回の整理としてはこんな感じです。

  • 世界はかなり理不尽
  • ピノキオは何度も失敗する
  • それでも少しずつ成長する

ディズニー版のやさしい物語とは違い、

かなりスパルタな“道徳の物語”

という印象でした。

ただ、その分だけ最後の成長には納得感があり、
読み終えてみると「なるほど」と思える一冊でした。


ディズニー原作を読むシリーズ

  • ① うさぎどん きつねどん
  • ② 宝島
  • ③ ピノキオ(本記事)
  • ④ 人魚姫(予定)

→ いずれまとめ記事も作る予定です

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