ディズニーの原作を読む④|ジャングル・ブックは「掟」の物語だった

これから子どもとディズニーに行く機会も増えるだろうと思い、ディズニー作品やアトラクションの元ネタになった古典を読んでいく企画。

今回は『ジャングル・ブック』を読みました。

なお前提として、私はディズニー映画版『ジャングル・ブック』を見たことがありません。

東京ディズニーランドでクマとサルのキャラクターに遭遇して写真を撮り、サインを書いてもらった結果、「バルー」「キング・ルーイ」という名前だけ知っている、という程度の知識です。


思っていたよりかなり読みやすい

まず驚いたのが、文章の読みやすさ。

古典文学というと少し身構えてしまうのですが、本作はかなりテンポが良く、どんどん読めました。

もっと説教臭い話を想像していたのですが、むしろ冒険小説として普通に面白い。

なお、今回読んだのは偕成社版で、訳者は『宝島』と同じ金原瑞人さんでした。

『宝島』の記事はこちら。


バギーラがめちゃくちゃ格好いい

黒豹のバギーラが、とにかく頼れる存在でした。

冷静で強く、しかも面倒見が良い。

最初は「黒豹だから強キャラ枠かな」くらいに思っていたのですが、読んでいくと完全に“頼れる兄貴分”でした。

今回読んだ中では一番好きなキャラクターかもしれません。


バールーは「先生」だった

一方、クマのバールー(ディズニーではバルー表記)は、もっと陽気なキャラなのかと思っていました。

しかし実際はかなり教育者寄り。

ジャングルの掟を教え、モーグリを育てる立場として描かれていました。

情も厚く、かなり真面目。

ディズニーパークでの印象とはだいぶ違うキャラクターでした。

後から「あのキャラだったのか」と繋がる面白さ

東京ディズニーリゾートで遭遇して写真を撮った時は、正直「陽気なクマとサルのキャラクター」くらいの認識しかありませんでした。

サインを書いてもらって初めて「バルー」「キング・ルーイ」という名前を知ったくらいです。

しかも、ランドのアドベンチャーランドだったのか、シーのジャングルっぽいエリアだったのか、記憶もかなり曖昧です。

ただ、原作を読むと印象がだいぶ変わりました。

特にバールー(バルー)は、ただ陽気なだけではなく、ジャングルの掟を教える教育者としてかなり重要な立場にいます。

後から「あの時会ったキャラクターって、こんな立ち位置だったのか」と繋がるのも、この“ディズニー原作を読む”企画の面白いところだと思います。


ジャングルには「真の悪役」がいない

読んでいて印象的だったのがこれです。

この作品には、絶対悪のような存在がいません。

もちろんシーア・カーンは敵役ではあります。

ただ、彼も単純な悪というよりは、

  • 掟を破る
  • 私欲を優先する
  • 秩序を乱す

という意味で排除される存在に見えました。

つまりこの世界では、

「善悪」よりも「掟を守るか」が重要

なのだと思います。


シーア・カーン、ちょっとかわいそう

とはいえ、シーア・カーンは悪役らしい派手な見せ場もあまりなく、最終的には毛皮になってしまいます。

あまりにも自然に処理されるので、少し哀れでもありました。

ジャングルでは感情論よりも掟や力関係が優先されるのでしょう。


ジャングルの序列が面白い

読んでいて、なんとなくジャングル内の序列も見えてきました。

個人的な印象ですが、

  • ハティ
  • カー
  • バールー
  • バギーラ
  • オオカミ族

という順で存在感があるように感じました。

特にカーは、最初想像していたよりずっと強者側の存在でした。

なお、後から調べるとディズニー映画にも同じ名前で登場するようですが、映画版ではかなりコミカル寄りのキャラクターになっているようです。


モーグリは「優しい主人公」ではない

本作を読んで一番印象が変わったのがモーグリです。

人間でありながらジャングルの論理で動いている。

しかも怒るとかなり容赦がない。

村を半ば壊滅状態に追い込む場面では、普通に恐ろしさを感じました。

ただ、その怒りの源泉が「母親を罠にかけられたこと」なのも印象的です。

冷酷というより、

情が深いからこそ徹底的

なのかもしれません。


ポウポウの実って、あのポポー?

作中で「ポウポウの実」という単語が出てきて少し反応してしまいました。

自宅で育てているポポー(pawpaw)を思い出したためです。

ただ、調べてみると英語圏ではpawpawがパパイヤを指す場合もあるらしく、翻訳の揺れも含めて面白かったです。

ちなみに以前、庭のポポーについて記事を書いています。

こういう、自分の生活と古典が妙につながる瞬間も読書の楽しいところだと思います。


まとめ|ジャングルでは「掟」が善悪より重い

読後の印象を一言でまとめると、

「ジャングルの掟」の物語

でした。

ディズニー的な“動物たちの楽しい冒険”というイメージよりも、

  • 社会
  • 秩序
  • 教育
  • 力関係

といったものが強く描かれていた印象です。

そして、思っていた以上にモーグリが「ジャングル側の存在」だったのも興味深かった。

ディズニー作品の原作を読むシリーズとしても、かなり当たりの一冊でした。


ディズニー原作を読むシリーズ

『うさぎどん きつねどん』感想
https://ortho-runrunblog.com/disney-original-brer-rabbit-review/

『宝島』感想
https://ortho-runrunblog.com/pirates-original-treasure-island/

『ピノキオの冒険』感想
https://ortho-runrunblog.com/pinocchio-original-review/

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